印象セリフ
「しゃんとする。」
製作国:日本
製作年:2019年
上映時間:96分
▼予告編▼
はじめに
皆さんは銭湯に足を運んでいるだろうか?
最近近代的で進化した銭湯は少し増えてきた気がするが、昔からおじいちゃんが切り盛りしている地元に愛されてきた銭湯なんかはめっきり減った気がして悲しい。
今作はそんな東京の銭湯を通して、田舎から越してきた女の子がちょっぴり前に進むお話だ!
ということで監督のQ&A付き試写会にご招待頂いたので見てきました!
どうも、自分最寄り駅に何故か天然温泉があるのでたまに癒されに行くキミシマムザ裕君です。
早速レビューを!
簡単あらすじ
20歳の宮川澪は、両親を早くに亡くし、祖母と2人で長野県の湖畔の民宿を切り盛りしていたが、祖母が入院してしまったことで民宿をたたまざるを得なくなる。父の親友だった涼介を頼りに上京し、涼介が経営する都内の銭湯に身を寄せた澪は、都会での仕事探しに苦戦し、次第に銭湯を手伝うようになる。そして個性的な常連客たちと交流し、徐々に東京での生活に慣れてきたある日、銭湯が区画整理のため閉店しなければならないことを知った澪は、ある決断をする…(映画.com引用)
感想
大切な場所。
大切な時間。
大切な人。
失われゆくものを刻んでいく。
鑑賞後に無論銭湯に行きたくなる、
温かみのあるヒューマンドラマだった。
これは自己成長ではなく、自己受容の物語だ。
田舎からやってきたコミュニケーションが得意とは言えない引っ込み思案の女の子が、少しずつ自分の出来ることを、自分の居場所を見つけていく。
監督いわく「飛べない魔女の宅急便」だとか。
そしてそんな少女の目を通して、現代の終わりゆく伝統的な文化や滅びゆく下町への郷愁に我々がどう向き合っていくかを問い掛けてくる。
タイトルに光が入っているとおり映像がとても柔らかくて綺麗。
銭湯に差し込むなんてことない日差しさえも美しく思えた。
とても詩的な作品だなぁと思ったら、監督の中川龍太郎氏は元々詩人として活躍していた方らしく納得。
受け取り手にある程度理解を任せる作り方をしている意味で映画と詩はとても似ているとと監督は思っているらしい。
キャスト
松本穂香
監督が
「こんなに可愛いならもっと寄りの映像を取っておけば良かった」
と言わしめる透明感と可愛らしさ。飾らない素朴な魅力があふれていた。
彼女は役作りで敢えて作り込まないことを意識しまらしく素の自分に近い状態で演じることが出来たのでしょう。
めっちゃ朝ドラっぽいなぁ、こりゃ売れるなぁと思っていたら既に出ていたしもう売れていた(笑)
光石研
この名脇役なくして、この映画なし。
と言い切っても過言ではない渋い親父をえんじていた。
セリフが少ない故に表情で語る演技はさすがの一言。
あと酔っ払ったときのゲロ演技は長年の熟練の職人芸を見せて頂きました。
その他
あとは最近こういう映画に出るのがマイブームなのか?バンドより有名になってきた渡辺大知や
まとめ
自分の田舎や実家付近が再開発でガラッと街並みが変わってしまう方もいると思う。
それはもちろん便利さなどの観点から見れば良いのだけれどどこか寂しい気持ちになってしまう。
自分の居場所が定まらず自分に何が出来るか迷っている人達、
そんな方々にどう向き合っていくのかを少し一緒に考えてくれるような素敵な作品だ。
こんな人にオススメ
- 銭湯が好きな方
- 若手監督の作品を観たい方
- 透明感のあるヒロインを見たい方
おあとがよろしいようで…