印象セリフ
「友達は”選べる家族”だ。」
製作国:アメリカ
製作年:2019年
上映時間:97分
▼予告編▼
The Peanut Butter Falcon - Trailer
はじめに
皆さんは2020年アカデミー賞をご覧になっただろうか?
『パラサイト 半地下の家族』がアメリカンドリームを掴み作品賞を含む4部門を見事に受賞した伝説的な年で、後年語りづがれることも多いだろう今回のアカデミー。
司会が不在だったことも話題だったが、そんな中で初々しくプレゼンターをしていた彼に気づいた方はいるだろうか?
ダウン症の青年が一生懸命作品を紹介するのを兄のように隣で支えるのは
『トランスフォーマー』でお馴染みのシャイア・ラブーフ。
これは一体どういう組み合わせだと思っていたらすかさずWOWOWで同時通訳生中継の解説席(?)のようなところで映画評論家の町山智浩さんが
「あれは『ピーナッツバターファルコン』という作品の主演2人でして~」
と話していてそういえば気になっていた作品じゃないかと思いだしたのだ!
え、こんな素敵な距離感の二人がメインなら面白いにキマッてるじゃない!
ということで早速映画館で観てきました!
どうも、最近見る映画の量が増えすぎて全くブログを更新できていない。キミシマムザ裕君です。
早速レビューを!
簡単あらすじ
養護施設で暮らすダウン症のザックは、子どもの頃からの夢だったプロレスラーの養成学校に入るため施設を脱走する。兄を亡くして孤独な日々を送る漁師のタイラーは、他人の獲物を盗んでいたことがバレたことから、ボートでの逃亡を図る。そんなタイラーと偶然に出会ったザック、そしてザックを捜すためにやってきた施設の看護師エレノアも加わり、3人はザックのためにある目的地へと向かう。…(映画.com引用)
感想
自分の生き方を制限するな!
そんなストレートなメッセージが伝わってくる温かい映画。
ダウン症の青年と孤独な猟師が目的地に向かってまったりゆっくり進むロードムービーなんてもう方程式として面白くなるに決まってるじゃない!
ダウン症青年はザックは身寄りもなく老人養護施設に閉じ込められて生活していたので、誰かの手を借りないと到底生きていけない。
そんな中で現れた野性的で不器用だけど面倒見の良いタイラーと出会うことで二人の人生が変わっていく。
ザックがタイラーから自由に生きる素晴らしさ、野性的な生活、自分に自信を持つことなどを沢山教わって成長する。
タイラーも素直で真っ直ぐな愛情を向けてくれるザックに助けられることも多い。
そんなどっちが欠けても成立しなかった絶妙な旅路を楽しめるのだ。
流れる音楽もロードムービーらしくアメリカのカントリーミュージックで作品の雰囲気作りにかなり貢献している。
あ、ロードムービーと称したけどよく考えたらイカダで水辺を進んでるからジャンル違いかな?(笑)
製作陣もロードムービーの王道『リトルミスサンシャイン』のチームと聞いたので納得だ。
キャスト
シャイア・ラブーフ
2000年代初期はスピルバーグのお気に入りとして大作映画ひっぱりだこだった彼もプライベートの奇行や逮捕が目立ってすっかり影が薄くなってしまっていた。
今作も内容的にはもっと大きな宣伝を打っても売れそうな内容ではあったが直近で彼が撮影中に飲酒による泥酔で人種差別的な発言をしてしまったことで猛バッシングを受け、公開すら危ぶまれたという事件があったのだ。
その時今作製作のキッカケともなったザック役のザック・ゴッサーゲンに
君はもう俳優として有名だけど、これは僕のチャンスなんだ。
それを君は台無しにした。
と言われてやっと目が覚めたそう。
そこから彼は構成することを誓い、アルコール中毒の治療に真剣に取り組んだんだとか!
そういう意味でも今作の危なっかしいう役柄は彼自身とリンクする部分も多く、
その背景を知った上で観ると彼らの仲の良さがより目に見えてほっこりする。
ダコタ・ジョンソン
『フィフティシェイズオブ~』のSM三部作で有名になった彼女だが今はマルチに様z真タイプの作品に出てくれていて嬉しい!
ザックのことを考えているのに体制側の人間として連れて帰らなくてはいけないというジレンマを抱えて悩む姿も可愛らしい。
上の写真のシーンは髪の毛なびかせすぎだけど(笑)
田舎町には不釣り合いなほどの美人なのでそれを上手く生かして量品店での会話などが良かった。
その他
他にも以外にも最近映画で引っ張りだこになった『ウォーキングデッド』
のジョン・バーンサルがセリフ無しだけど強烈なインパクトを与えていたし、
冒頭でも書いた「友達は選べる家族だぞ」という個人的に印象的なセリフを残した名優
ブルース・ダーンのおじいちゃんもいい味を出していて良かった。
まとめ
日本人なんかは特にそうなんじゃないかとよく思うが、
みんな無意識に生き方を制限してるような気がする。
自分には無理だ、とあれこれ理由を付けて諦める前にやりたいことをやってみればいいじゃないか。
そして自分一人でそれが出来なかったら友達の力を借りればいいじゃないか。
そんな勇気を少しだけ貰える素敵な映画だったと思う。
ダウン症の子が主人公の別の映画だったら
『チョコレートドーナツ』なんかもおススメです。
こんな人にオススメ
- ヒューマンドラマ好き
- ロードムービー好き
- シャイア・ラブーフのファン
おあとがよろしいようで…