印象セリフ
「いえ、誰も知らないはずよ」
製作国:スペイン・フランス・イタリア
製作年:2018年
上映時間:133分
▼予告編▼
はじめに…
皆さんはちゃんと故郷の実家に帰っているだろうか?
結婚や転職を機に実家から離れている人々は親戚や友人の結婚式とかで久々に地元に帰ってくるものだ。
今作ではそんな田舎街に久しぶりに帰ってきた家族がとんでもないことに巻き込まれてしまうお話。
こんなことになるなら帰らなきゃよかったよ!!
とペネロペさんもつい言いたくなっちゃうくらい災難に巻き込まれます。
ってことで映画館でこっそり見てきました!
どうも、実家が千葉で近いから逆になかなか帰らないキミシマムザ裕君です。
さっそくレビューを!
簡単あらすじ
アルゼンチンで家族と暮らすラウラは、妹アナの結婚式に参加するために、10代の娘イレーネと幼い息子ディエゴを連れて、故郷スペインの小さな村に帰ってくる。老父や姉夫婦、幼なじみのパコらとの再会を喜ぶラウラだったが、結婚式後のパーティの最中にとある事件が起きて・・・
感想
本当の家族とは・・・。
スペイン田舎街で巻き起こるサスペンスドラマ。
天国から地獄へと一瞬で切り替わるとんでもない作品だった。
美しい景色が誇りな田舎町の結婚式という小さなイベントに盛り上がる地元民達を写す前半パートはまるでホームビデオを見せられてるようで少し照れ臭くも微笑ましい光景だった。
しかし中盤から起きてしまう”とある事件”以降のサスペンスフルな雰囲気と先の読めない展開に息を呑む。
一体だれがそんなことをしたのか、怪しいのは誰か…。
それまで流れていた陽気な音楽が一切なくなったのは登場人物の心理描写を表しているようで緊張感が漂っていた。
そして迎える結末・・・エンドロールに入る0.01秒前まで目が離せなかった。
うーん、つくり手は性格悪いな!(笑)
監督:アスガー・ファルハディ
『別離』『セールスマン』などでアカデミー外国語映画賞!
を受賞した実力派イラン人監督。
普段は母国イランを舞台にしたヒューマンドラマやサスペンスを得意とするが、今作ではわざわざ出張して舞台もキャストスペインで行うという挑戦。
前も『ある過去の行方』でフランスを舞台にしていたので、彼の興味はイラン以外にも向いてきているのかもしれない。
そのせいもあって最初に書いた傑作2作ほどエッジの効いた名作にはならなかったが、念入りにスペインについて調べまくったのか現地人が撮ったような映画になっていたと思う。
彼の作品は一貫して”家族”がテーマだ。
今作でも家族の脆さや強さを見事にドロドロと描けていて素晴らしい。
そのカメラワークや音楽の使い方なども独特で冴えているので、是非次回作はアメリカを舞台にして豪華スターを起用して作品をとって欲しいものだ。
キャスト
ペネロペ・クルス
金持ちと結婚して子供にも恵まれ、故郷を離れた女。
地元に残るものからしたら勝ち組の人間だ。
そんな女をペネロペ様が時にひたむきに、時にヒステリックに演じてくれた。
それにしてもこの人いつ老けるの!?
どの映画を見ても美しい!どのカットも美しい!
気付いたら45歳のミドルエイジなわけだが、自分の
“ペネロペ・クルスにスペイン語で罵倒されたい”
という夢はまだ変わりません(どうでも良い)
黒ひげさんも言ってますしね。
ハビエル・バルデム
『ノーカントリー』『007/スカイフォール』等の悪役に定評のある演技派俳優。
地元の幼なじみとして面倒見のいいあんちゃんを演じているが、
ペネロペとは実際の夫婦関係にあるのでそこらへんを知ってる人は
「おいおいただの幼なじみか・・・?(・∀・)ニヤニヤ」
と勘繰ってしまうのも仕方ないだろう。
それにしてもペネロペが嫁って羨ましすぎる・・・。
あとは登場人物のほとんどが美人という眼福な田舎町だったので早くスペインに旅行に行きたいなとおもいました(小並感)
まとめ
イラン人監督ファルハディがスペインについてよく調べて作り上げた今作。
サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても良作なので是非劇場で!
ただ音楽のない後半パートは大分静かなので睡魔には負けないように!(笑)
結末の後、この家族達はどうなったんだろう・・・
そしてタイトルの意味についての考えは以下ネタバレにて!
※ネタバレ※
人間には過ちがつきもの。
特に恋愛に関しては完璧など到底難しく、
不倫や浮気のスキャンダルなどは数え切れないほどあるだろう。
そんな秘密の関係、当事者同士は「絶対誰にも言うなよ!」
と口約束していても2人が醸し出す雰囲気などから周りは言わないだけでみーんな気づいてるみたいなことがたまにあったりする。
今作のペネロペとハビエルはまさにそれで、お互いの秘めたる気持ちを隠してるつもりでも周りからしたら
『誰もがそれを知っている』
状態だったのかもしれない。
こんな人にオススメ
- スペイン舞台の映画が観たい方
- ファルハディ監督のファン
- ペネロペ&ハビエル夫妻が観たい方
おあとがよろしいようで…