印象セリフ
「もしダンスを失ったら?」
「自殺かな」
製作国:フランス
製作年:2018年
上映時間:96分
▼予告編▼
11/1(金)公開『CLIMAX クライマックス』日本版予告
はじめに
皆さんはLSDをご存じだろうか?
非常に強烈な作用が発生する幻覚剤で、ドイツ語「Lysergsäurediethylamid」略。
つまりヤバイクスリなわけですが、日本ではまぁちょっとヤンチャな方々や芸能関係でもない限りお目にかかれない代物なわけです。
しかし諸外国では意外と安易に手に入っちゃったりするもので、今作はそんなLSDのせいで最悪の一晩を過ごすハメとなるダンサー集団のお話だ!
どうも、マリファナまでは許容範囲だけどそれ以上は怖いよねってスタンスのキミシマムザ裕君です。
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簡単あらすじ
1996年のある夜、人里離れた建物に集まった22人のダンサーたち。
有名振付家の呼びかけで選ばれた彼らは、アメリカ公演のための最終リハーサルをおこなっていた。
激しいリハーサルを終えて、ダンサーたちの打ち上げパーティがスタートする。大きなボールに注がれたサングリアを浴びるように飲みながら、爆音で流れる音楽に身をゆだねるダンサーたち。
しかし、サングリアに何者かが混入したLSDの効果により、ダンサーたちは次第にトランス状態へと堕ちていく……(映画.com引用)
感想
鮮烈に、堕ちろ。
脚本はなんとたったの5ページ。
撮影期間はたったの15日間。
演技経験者はたったの1名。
そんな状況で描かれた極限の地獄映画だった。
『レクイエムフォードリーム』の覚せい剤。
『トレインスポッティング』のヘロイン。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のコカイン。
に並び今作のLSDは
【保険の授業で学生たち変なビデオより見せた方が効果ある作品】
に新たに仲間入りした。
ダンサー達が狂っていく様子をダンスで、会話で、セックスで、暴力で…
表現できる全ての行動で映していく。
カメラワークや映像の色味、後半になっていくに連れて我々視聴者までLSDを盛られたんじゃないかというぐらい気分の悪くなる映像技法なので体調が万全じゃない方は遠慮したほうがいいだろう。
しかしこんなバッドトリップは中々味わうことが出来ないので、
是非映画館の逃げられない環境で見る事をオススメする。
キャスト
主演以外が全員演技未経験のプロダンサーらしいが、全く演技にはそん色ない。
そこらへんが日本のアイドル起用とかとなんでこうも差が出るのかと哀しくなるがそれはまた別のお話。
22名のダンサーが出てくるのでどのキャラに感情移入するか、どのキャラを応援するかという見方で鑑賞すると楽しいかもしれない。
ソフィア・ブテラ
『キングスマン』で売れっ子となり『ザ・マミー』で悪役としての才能を更に開花させた彼女だが、元々はダンサーとして活動していたらしく他のダンサー達に引けを取らない素晴らしいダンスセンス。
そして何よりもLSDで少しずつ不安に駆られていく演技が素晴らしい。
これ本当にシラフでやってるのかという絶叫シーンや泣きじゃくるシーンなど本当に彼女には功労賞をあげたいくらい頑張っていました。あとえっちです。
その他
まとめ
常に観客たちや批評家を驚かせ、非難されてきた鬼才ギャスパー・ノエ監督の最新作である今作は今までで一番絶賛されたらしい。
他の作品をまだ見たことがないがレビューを見る限りやばいのばかりなんだろう。
そういう意味ではノエ監督デビューにはちょうどいい作品なのかもしれない。
いや、今作が優しい方って相当頭おかしいんだけど…
とりあえず、
クスリ、ダメ、ゼッタイ。
こんな人にオススメ
- ダンスがが好きな方
- ギャスパー・ノエ監督のファン
- LSDをキメたい方
おあとがよろしいようで…