印象セリフ
「クソムシが。」
製作国:日本
製作年:2019年
上映時間:127分
▼予告編▼
はじめに
突然ですが皆さんは、学生時代こじらせてましたか?
特に中学生時代、男の子なんかは誰しもが
自分は周りと違って特別
なんだと斜に構えてたり、気になるあの子への妄想を膨らませていたりと痛々しいほどこじらせていたことでしょう。
今作はそんなどこでもいそうな拗らせ男子がとんでもないファム・ファタール(運命の女)に出会うことで、あるあるですまないレベルの青春を送ることになる映画。
そこらの少女漫画原作とは切れ味が違うのでご用心!
ということで映画館で見てきました!
どうも、今もなお中学生をこじらせ続けているキミシマムザ裕君です。
早速レビューを!
簡単あらすじ
山に囲まれた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい日常をやり過ごしていた。
ある日、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまった彼は、秘密にする代わりに仲村からある“契約”を持ちかけられる…(映画.com一部引用)
感想
僕は変態なんかじゃない。
平凡すぎる世の中全てに嫌気がさした若者たちの非凡な抵抗のお話。
間違っても流行りのイケメン俳優や可愛いアイドル女優の出てる明るくコミカルな漫画原作映画と同じに見てはいけない。
誰しもが通る若き日の苦悩や葛藤を、
誰も通らないやり方でもがき苦しむ男女の青春映画なのだ。
原作は押見修造による全11巻の漫画。
そのボリュームを約2時間でまとめるのは骨が折れただろう。
だいたい残念な省略のされ方でダイジェストのようになってしまうのがオチだ。
しかし脚本は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』等で知られる岡田麿里。
多少展開は早いがとても綺麗に起承転結してくれており原作を読んだ自分でも納得のまとまり具合。
「周りとはは何かが違う」ことに共感しあい、徐々にエスカレートしていく彼らの行いを描いていく中学生時代。
そして”何か”によって虚無な表情で過ごす高校生時代。
このふたつを交互に描いていく映画オリジナルの時系列はよかった。
自分もこんな破壊的で魅力に溢れた女の子に多感な中学生時代に出会ってしまっていたら、、、と思うと少し羨ましくもあるのがドMのサガ…
キャスト
玉城ティナ
ビジュアルは100点。むしろ原作を超える中村さんであった。
演技も以前よりはだいぶマシになり、落ち着いてる時の表情やセリフはまだ良い。
ただやはり感情を爆発させた時の難しい表現や表情はまだまだ成長の必要がありそう。
予告の「クソムシが」が一番自分に刺さるかと思ったが、蓋を開けてみたら
「契約してやるのは私の方だろうが。」
のシーンで電撃が走った。契約させてください。(何を)
伊藤健太郎
イケメンだけどちょっと地味・・・というキャラがぴったりな童貞。
今までの出演作でも主人公というよりは主人公の親友とかクラスメイトの男子という役柄が多かったので今作の役にはちょうど良い。
彼は他の誰かと違うことの証明としてボードレールの詩集『惡の華』を読み続けているが、
自分も小学生の頃背伸びして600ページを超える『バーティミアス』というファンタジー小説を無理して読んでたのを思い出した・・・(笑)
その他
クラスのマドンナ佐伯さんの役を演じた秋田汐梨さんは健気で控えめな可愛らしさだけでなく、後半の難しい演技もこなしていたので今後更に売れていきそうだし、
高校生編でのキーパーソン常盤役を演じた飯豊まりえはさすがにこの中では一番キャリアが成功してるだけあってスター性と演技力が安定してた。かわいい。好き。
まとめ
誰しも学生時代に平凡な日常に辟易したり、
周りとの疎外感を抱えたりと絶望している時期があったんじゃないだろうか。
そんな悶々とした感情を我々が青春時代にはできなかったやり方で爆発させてくれたのがこの映画なのだ。
「そうやってみんなが行く道を選んだんだね。」
心の中の中村さんにそう言い捨てられ、我々は大人になっていく。
俺だって、俺たちだって
本当は向こう側に行きたかったんだよ。
こんな人にオススメ
- 青春映画好き
- 玉城ティナのファン
- ドM変態男子の皆さん
おあとがよろしいようで…