印象セリフ
「無限の彼方へ、さぁ行くぞ」
製作国:アメリカ
製作年:2019年
上映時間:100分
▼予告編▼
はじめに…
皆さんも小さい頃おもちゃで遊んだことがあるだろう。
そんな懐かしい思い出に浸れる最高の作品がピクサーアニメーション製作の
『トイストーリー』シリーズである。
1995年に1作目が公開されて以来絶大な人気を誇り、2010年に感動の3作目にてフィナーレを迎えた。自分も約3000本ほど映画を見ているが、実は3作目が人生のオールタイムベストになっているほど思い入れの深い作品だ。
なんて完璧な3作目だったんだろう・・・・・。
と思いきや!!作られてしまったのです4作目が!
嘘でしょ!?作る必要ある!?
これは良くても悪くても見ないとだめだよなぁ!?
ということで早速公開日に見てきました。
どうも、おもちゃを触ってる時だけは少年の心に戻るらしく、友人に
「お前、なんでそんなに目がキラキラしてるの…?」
と若干引かれた男、キミシマムザ裕君です。
さっそくレビューを!
簡単あらすじ
ウッディたちの新しい持ち主となった女の子ボニーは、幼稚園の工作で作ったフォーキーを家に持ち帰る。ボニーの今一番のお気に入りであるフォーキーを仲間たちに快く紹介するウッディだったが、フォークやモールでできたフォーキーは自分を「ゴミ」だと認識し、ゴミ箱に捨てられようとボニーのもとを逃げ出してしまう。彼を連れ戻しに行ったウッディは、その帰り道に通りがかったアンティークショップで、かつての仲間であるボー・ピープのランプを発見する。一方、なかなか戻ってこないウッディとフォーキーを心配したバズたちも2人の捜索に乗り出すが……(映画.com引用)
感想
”おもちゃ”としての存在意義とは…
先に言うと死ぬほど号泣した。
作品のクオリティや整合性を無しにしてもやはりシリーズに対しての思い入れが強すぎてどうしも普通の目線では見れなかった。
そんなトイストーリー大好き男の若干偏った目線だけども出来るだけフェアに書いてみた。
良かった部分と悪かった部分を!
良かった点
・映像
とにかく映像が圧倒的に美しい!もはや実写!?
おもちゃ達の光沢具合から部屋の照明の微妙な明暗まで見事!
1作目の頃よりも圧倒的にやりたいことを映像化できるようになったであろう技術力に拍手!
・ボーの復活
完璧と言われていた3作目でも心のどこかで
「ボー・ピープはどこに行ったんだろう…」とざわついていた。
そんな彼女が20年振りに復活してウッディと共演を果たしているだけでもう昔から見ている我々からしたら涙モノなのである。
キャラは180度変わっていても彼女がメインキャラに帰ってきただけで満足だ。
・新しいテーマ
おもちゃがおもちゃである意味について深くアプローチをする今作。
”ピクサーは完璧な脚本が出来ない限り続編を作らない主義”なのはお馴染み。
今作では”おもちゃ=子供のためにある”という根底を覆す物語。
与えられた役割とは違う役割にもなれるという事を教えてくるテーマになっている。
元々先割れスプーンとして生まれたのにボニーによって新しくおもちゃとなったフォーキーと、アンディの元を離れて新しい役割を模索するウッディの対比が上手い。
そして元々はアンディのおもちゃだったのに自由になったボーピープが現れることでウディの心境が変わっていくのである。
そしてとどめのギャビギャビーの存在。
今まで一切子供に遊ばれたことのなかった哀しいおもちゃがウッディに求むものは…
ピクサーしゅごい。
悪かった点
じゃあ何が悪かった、微妙に感じてしまったかというところを考えてみた。
・・・・・。
全部ネタバレになる!!
と思ったので、ここからの不満や疑問点は全てネタバレとして隠します。
今作が大好きな方はもしかしたら不快に思うかもしれないのでお気をつけください。
あと、多分こっちの方が良い点より長いです(笑)
※ネタバレ※
①ボニーの態度
3作目にて今までアンディはウッディのことが大好きで、他のオモチャは屋根裏に置いたとしても、ウッディだけは大学に連れて行こうとするほどだった。
それでも全てのオモチャを大事に遊んでくれるボニーになら託してもいいと思い、ウッディを授けたのである
実際の時系列はまだ把握できていないが、ボニー自身も短編作品「ハワイアンバケーション」などの3作や
突然脚本の都合でウッディを飽きて全然遊んでくれなくなった…では辛すぎる。アンディがせっかく授けた意味とは何だったのか?
っていうかフォーキーが作中いなくなるたびに大騒ぎしていたボニーだけど、
ウッディも一緒にいなくなってることに気づいてあげてよ…つらい。
もっというとウッディが最後に行った”自由になる”という選択もボニーに気に入られていたままだったらこうならなかったのかと思うと哀しいばかりである…
②他のおもちゃ達の描き方
これで完結させるかどうかはさておき、ウッディが他のおもちゃと別れてしまうとても大事な作品なのにも関わらず、バズは出番が多くあったからまだしもそれ以外のおもちゃがほとんど蚊帳の外になってしまっているのが辛い。
一作目から苦楽を共にしてきたスリンキーやハム、レックスにポテトヘッドなどの古株キャラはもちろんのこと2作目で仲間になったブルズアイとジェシーは…?
ジェシーは一度持ち主から捨てられたトラウマを持っているけど、ウッディとの別れには耐えられるのか?
そして別れのシーンも少し抱き合うくらいでたいした時間も使われず、こんなあっさりで良かったのだろうか。
今作で号泣した理由の一つはウッディとバズという親友が離れ離れになってしまうという事実に耐えられなかったという哀しい涙だった。
アンディが言っていたウッディ一番の素晴らしいところ
「何があっても、仲間を見捨てないところなんだ」
はどうなってしまったのだろう。
③新しいテーマについて
さっきは良い点でも書いたが、実際にこのテーマを深堀する必要があったのだろうか?
トイストーリーの産みの親であるジョン・ラセターは続編を作ることに否定的だったが、彼は不祥事のせいでもはやピクサーにはいない。
一応ラセターが書いた脚本があったらしいが4分の3変更されているとのことで元々どういうストーリーだったかもわからないまま。
その影響もあったのか、会社が新しい風を吹かせようとしているような気がしてならないのだ。
現代風に女性らしさを排して自由なキャラにしたボー・ピープも#MeToo運動の余波を感じてしまうし、ウッディと離れたのも今までのジョン・ラセターのトイストーリーとの決別を意味してるような気がして素直に納得できなかった。
あくまでこれはスピンオフ的な続編として楽しむべきなのかもしれない。
声の出演
※今回は吹き替えで鑑賞したため、吹き替えのみです。
ウッディ / 唐沢寿明
やっぱり安定の唐沢さん。小さい頃からシリーズを見てる者としてはウッディは字幕版のトム・ハンクスではなく、唐沢さんなのである。
もう20年以上経っているのに声も変わらず演じることができるのは安定である。
所ジョージ / バズ
こちらも安定の所さん。今作では”内なる声”に従って自分でボタンを押しまくる様子がコミカルで良かった。
バズは1作目では考えられないくらい頼りになるウッディの相棒になったという意味では一番成長したキャラなのかもしれない。
あと出来れば3作目から出てきた”スペイン語”モードをまた聞きたかった(笑)
戸田恵子 / ボー・ピープ
『アンパンマン』など声優としても実力のある女優の彼女が久しぶりに復帰したのは嬉しい。女性的なキャラクターから自由で自立した女性として成長を遂げていたので声も力強くなっていた。
その他
あとはフォーキー役が竜星涼
ギャビーギャビー役が新木優子
そしてダッキー&バニー役がチョコレートプラネット
と本業声優とは一切違ったが、相変わらずディズニーとピクサーはしっかりオーディションで声優を決めるためか全く違和感なく楽しめた。
ちなみにカナダ人スタントマンおもちゃのデユーク・カプーンは字幕版では同じくカナダ人のキアヌ・リーブスが演じているが、その吹替はキアヌやトム・クルーズを担当している声優森川智之さんなのはこだわりを感じて良かった。
まとめ
個人的には3作目がオールタイムベストなことに変わりはないが、
続編としては上出来。もうここまできたら短編でも何でもいいから作り続けて欲しい。
そうやっておもちゃ達の物語を次世代、そのまた次世代へと引き継いでいってほしい。
そうやって次のアンディたちがすくすくと育っていけば良いなぁ。
こんな人にオススメ
- ピクサーが好きな方
- トイストーリーの続編を見たい方
- おもちゃが昔から大好きな方
おあとがよろしいようで…