キミシマムザ裕君の映画部屋

Filmarksにいたキミシマムザ裕君が映画ブログを執筆中!映画レビューや雑談を毎日更新しています!

『バイス』と『記者たち』映画レビュー「全く別々の映画から見えるイラク戦争の闇~後編~」

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はじめに

こちらの記事を読んでいただく前に前篇をチェック!

www.kimishimamuthemovie.com

 

・・・・・・・・( ゚Д゚)

 

((もうみんな読んだかな?))

ということで日本では偶然?いや必然?的に同時期公開となった

  • 『バイス』
  • 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』

 の2作。

前回レビューした『バイス』は政府の陰謀を影で操った副大統領を非常にリアルに、かつコミカルに映し出すことで政治に詳しくない自分でも充分に楽しむことが出来た!

チャンベもだてに20㌔増量してないね!(笑)

 

そして今作。

今度はそんな陰謀に騙されず、

ひたむきに真実を追おうとする弱小新聞社 

”ナイト・リッダー”

の記者たちが主人公だ!

 

あ、どうもキミシマムザ裕君です。

アメリカ政治は全然詳しくないです。

オバマがかっこよくて、

トランプがヤバイって感じだよね?(笑)

 

さっそくレビューを!

記者たち 衝撃と畏怖の真実

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※本国版ポスター

印象セリフ

「俺たちがこの戦争を暴いてやる

製作年:2018

製作国:アメリカ

上映時間:91分

▼予告編▼


映画『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』予告編

 簡単あらすじ

2002年1月29日、ジョージ・W・ブッシュ米大統領は一般教書演説で「イラクが大量破壊兵器を保有し、テロを支援している」と糾弾した。翌年3月、アメリカはイラクとの開戦に踏み切った。”衝撃と畏怖”作戦に則った米軍はあっという間にイラクを占領し、アメリカ国民は悪の枢軸の一画が崩壊したことに狂喜した。マスメディアもイラクへの軍事介入を肯定する論調が支配的であった。そんな中、ナイト・リッダー社のワシントンD.C.支局のジャーナリストたちはブッシュ政権に懐疑的な姿勢をとり続けていた。「イラクは本当に大量破壊兵器を隠し持っているのか」と…(Wikipedia引用)

感想

 ワシントンポスト、NYタイムズ…

その他大手新聞社などのメディアのほとんどが大統領の話を正しいとしてアメリカ国民に報道を続けていたのに対して、今作の主人公たちは真実を追求した。

  • 9.11テロ前からイラク侵攻を画策していたこと
  • テロ集団とイラクに関係は一切なかったこと

など証拠を集めていき、周りから批判されながらも信念を貫き続ける男達の仕事人っぷりに感動!

前回レビューした『バイス』と違うのはコメディ描写やエンターテイメント要素が薄く、実際のTV映像やインタビュー映像を多用してドキュメンタリーのようなテイストで淡々と話を進めていること。

ブッシュやパウエルなどはそのまま登場する。

その効果でより『バイス』では隠されていた事態の深刻さや巨大政府の恐ろしさなどを明確に描けていたように思った。

ただしその逆も然りで、娯楽要素を廃した結果『バイス』よりも面白みは欠けるかもしれない。

批評家からの評価も芳しくないらしく、

出来上がった作品はドラマとしてパッとしない上に、

既視感を覚える作品。

と言われる始末。

何をするにもバランスって難しいなぁ。 

監督:ロブ・ライナー

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 『スタンドバイミー』『最高の人生の見つけ方』

など映画好きじゃなくても知っているヒューマンドラマの傑作を創り出してきたベテラン監督の彼が何故今作をこのタイミングで作ったのだろう。

調べてみるとこんなインタビューが載っていた。

 「2003年からもやもやした気持ちがあり、その後、政府は9・11前からイラク侵攻を行うと決めていたという事実を様々なエビデンスから確信しました。アメリカ史上最悪な大惨事につながった外交政策、なぜそんなことが起こり得たのかを映像で形にしたかったのです。今、メディアがかつてないほど攻撃されていて、世界中を見ても独裁者が台頭しています。自由で独立したメディアが抑圧されると、真実が一般市民に届きません。結果的に我々一般市民が経験していることを反映するような作品になりました。自由で独立したメディアがなければ、民主主義というものは存続できないと僕は信じているし、現在のドナルド・トランプ大統領はメディアは民衆の敵と呼んでいる。そのような今だからこそ、闘わなければと思ったのです。ある意味タイムリーな作品になってしまったのです」

やっぱりかというところだが、

『バイス』も今作もきっと当時のアメリカの惨状を映し出すことで、

現在のアメリカの実情

を伝えたかったのだ。

現在の米国大統領ドナルド・トランプ

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メディアは大衆の敵

とまで言ってしまうほどで、ハリウッド中からも嫌われている。

そんな彼に対しての対抗を色んな形でしているのが現代のハリウッドなのかもしれない

 

ちなみに編集長役で監督自身も出演しているが、

それは予定していたアレック・ボールドウィンが撮影1週前に降板してしまったから自分でやっちゃったらしい。節約したな(笑)

キャスト

ウディ・ハレルソン

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 『LBJ ケネディの意思を継いだ男』

で同監督に気に入られ再び仕事をすることになったらしい。

相変わらず癇癪を起してキレるキャラがピッタリだ。 

ハリウッドのキレ芸俳優として今後も活躍して欲しい(笑)

ジェームズ・マースデン

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 監督から”美男美女枠”としてキャスティングされてるというのは少し可哀そうだが、『X-MEN』で目からビームが出る男を演じてた彼からだいぶ成長した。

個人的には好きな顔なのでもっと出世して欲しいところだ。

トミー・リー・ジョーンズ

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映画を見ない日本人からは珈琲のCMのおじさん程度にしか思われていないが、

彼はは一癖も二癖もあるキャラを演じさせたら中々味のある演技をするのだ。

今作でもその存在だけで重厚感を放ち映画を”それっぽく”させるのに役立っていた(笑) 

あとはこの重くてある意味固い内容に対しての緩和剤としてか美女のキャスティングが多く、

  • ミラ・ジョボヴィッチ
  • ジェシカ・ビール
というアクションも出来るヒロイン達が普通に妻を演じていた。
犬を蹴り殺したりしないので安心して欲しい(笑)

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まとめ 

 2作を見終えてどちらの監督も伝えたかったのは

  • 当時のアメリカは本当にヤバかった
  • 今のアメリカも相当ヤバイ
  • 俺たちでなんとかしないと!
という気合とメッセージがヒシヒシと伝わった。
こんな時こそ民衆が立ち上がらないといけないんだ、と。
一方われらが美しい国日本。
自分は日本の政治にも恥ずかしながらあまり詳しくないので何も言えないが、
そもそも正面から政治・政府を批判をする作品を見ないのが悲しい。
まぁ国民性やそれぞれの国の歴史、風土があるのでなんでも
「アメリカの真似をしてよ!」
とまでは言わないが、
もっとチャレンジ精神のある作品が増えたら面白くなるのね。
”オリンピックが中止になる”シーンが入ってるだけで公開中止を促そうとしちゃう悲しい国にはならないで欲しいものです。
あと(おそらく)『バイス』公開タイミングに合わせて本来ならDVDスルーになりそうな本作を劇場公開にぶち込んでくれた配給会社様に感謝してこのレビューを締めよう。

こんな人にオススメ

  • 政治風刺が好きな方
  • キレ芸ウディが観たい方
  • イラク戦争題材を見たい方

おあとがよろしいようで…

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