印象セリフ
「誰からも愛されない人生になるわ」
製作国:アメリカ
製作年:2019年
上映時間:121分
▼予告編▼
はじめに…
皆さんはエルトン・ジョンをご存じだろうか?
イギリスのミュージシャン、楽曲の総売り上げは3億枚以上とされており、
なんと「史上最も売れたアーティスト」で5位な伝説的ロックンロールスター!
そんな彼の伝記映画が今作!
しかも存命中に製作され、本人が製作にガッツリ絡んでいるのだ!
ってことで公開日に観たうえで二回目のおかわりをして、
さらにパンフレットとサウンドトラックまで買ってきちゃいました!
どうも、”ロックンロール”とワードが付くだけで観ちゃう男キミシマムザ裕君です。
さっそくレビューを!
簡単あらすじ
イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド・ドワイトは、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……(映画.com)
感想
ロックスターの半生を描く伝記映画…?
と見せかけた✨ミュージカルファンタジー映画✨
色んな意味で好き嫌いは分かれそうだけど、個人的には大好きな作品だった。
しかし、他の人の感想を観てみるとどうも去年公開の音楽映画
『ボヘミアンラプソディ』と比べる人が多い!
確かに観てる最中ラミ・マレックの顔がチラつかなかったと言われれば嘘になるので、
何が似ていて何が違っているのかを比較してみた!
『ボヘミアン・ラプソディ』との共通点
①取り扱う対象
そもそもボラプのQuennのフレディ・マーキュリーと今作のエルト・ンジョン
には人物としての共通点が非常に多い。
- 大成功したロックスター
- 英国出身
- 同性愛者
- 性格の光と闇
とこれ以外にも沢山!こんな二人を題材にする辺り
やはりロックスターの生きざまには人を惹きすかせるものがあるのだろう。
あ、二人ともピアノ弾くのが好きだよね(笑)
②監督が一緒
その名もデクスター・フレッチャー
『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人は少し「おや?」と思うかもしれない。
それもそのはずボラプの監督は『X-MEN』シリーズの
ブライアン・シンガー監督がクレジットされているのだ。
しかし実情はというとシンガーは製作途中でおなか痛いだったかお母さんの看病だったかで途中で投げ出してお家に帰ってしまったのだ。
そんな途中から貧乏くじを引かされたのがこのフレッチャー監督だったのだ。
主演のタロンとも『イーグルジャンプ』で既に一緒に仕事をしているのでやりやすかったろうし、今作は最初からしっかり監督が出来たのでボラプで出来なかったことが出来たと本人も嬉しかったそうだ(笑)
③映画の構成
これはもう少し敢えて似せないほうがよかった気がするけども、
成功⇒転落⇒再起
までの流れがこの2作は非常に似ているのだ!
曲やバンドが成功してから自分の真のセクシャリティに気づいて…
みたいな流れもそっくり。
あと意地悪なマネージャーのせいで本人も傲慢になってくのとかもはや悪意があるんじゃないかってくらい似ていて笑った。
これはあとから作った今作の方をもっと別の方向でやっても良かったかもしれない。
あ、時系列とか曲のリリースタイミングをずらして史実と異なる脚色をしているという点でも似ている(笑)
『ボヘミアンラプソディ』との相違点
①ジャンル
ボラプではフレディ本人の歌声を主に使った魂の籠った”ライブ映画”であったのに対して、今作は最初で書いたように”ミュージカル映画”なのだ。
登場人物は吹き替えなしで自分での力でパワフルに歌い上げる。
物語の途中で登場人物が歌って踊りだし、ライブ中観客も本人も宙に浮き、足に火が付き発車するのだ。
そういう意味ではファンタジー要素が強くなるが、エルトンのド派手な人生にはそれがピッタリだろう。
こういう部分でミュージカル自体があまり得意じゃない人や、
本人の歌声しか受け付けないタイプの人などはボラプの方が好きなのかもしれない。
②本人が存命
実在の人物を描く伝記映画というジャンルにおいて、
取り扱う対象が存命かどうかはとても重要だ。
ボラプはフレディが既に個人だったため、Queenや周りのメンバーから観た彼の人生を描いており本人の心情などはあくまで予想になってしまうのだ。
その点今作は本人が存命しているどころか自ら製作に関わっているので内面なども非常に細かく映し出される。
また前述したファンタジー要素も功を奏しており彼がそのタイミングで感じたことや思ったことも表現豊かに、自由に描けてるのも良かった点。
逆に本人が製作に関わると変に美化された物語にされる心配もあったが、
自分の光も闇も包み隠さず生きているロックンロールなエルトンにはその心配がなかったようだ!
キャスト
共通点と相違点が分かったところで出演者のご紹介!
タロン・エガートン
あの『キングスマン』でやんちゃ坊主だったタロン君がこんなに成長するなんて…(涙)
タロンとエルトンは今作以外でも何かと縁がある関係で、あまり知られてないが
『SING』のゴリラ役で既に【I'm Still Standing】を歌っているのだ。
そして『キングスマン2』でもエルトン本人と共演をしたうえでの今作!
製作に携わるマシュー・ヴォーンも今作を作ると決まった時からもうタロンしかいないと思ったらしい。
更に吹き替えなしの彼自身のパワフルな歌声とパフォーマンスの幅の広さ、
そしてその演技力はアカデミー主演男優賞ノミネートも狙えるんじゃないの!?
去年口パクで主演男優賞をラミ・マレックも獲ってたから充分ありえるでしょう!
(※ボラプも大好きです)
あと特殊メイクで一番時間が掛かったのは徐々に剥げていく頭髪だったそうです。
ジェイミー・ベル
2000人の中からオーディションで選ばれて主演をした『リトルダンサー』の彼が可愛い顔を残したままこんなにハンサムなお兄さんに成長していたなんて!
エルトンの長年の作曲パートナーであるバーニー・トーピンを演じているが、
破天荒なエルトンのキャラクターと相反し、常に安定してブレずに彼を支えるバーニーにずっと支えられてたんだと知った。影の主役と言っても過言ではない。
曲のほとんどの作詞を手掛けている彼の作風が常に自分の周辺や自分のことについての物語が多いので、その歌詞のおかげでより曲と映画のシンクロ率が上がって感情移入出来た。あ。もちろんジェイミー君の歌も出番は少ないが上手い!
ブライス・ダラスハワード
『ジュラシックワールド』の美人ヒロインが少しぽっちゃりして愛のないエルトンの母を好演!
元が美人だから太っても美しいんだけど、この冷たいキャラがエルトンを追い詰めた要因の一端だと思うと、ある意味今作のヴィラン的なポジションなのかもしれない。
中盤でエルトンに吐き捨てるように言ったセリフがかなり刺さったので注目頂きたい。
あと、少しだらしない二の腕がめちゃくちゃ好きでした(性癖)
リチャード・マッデン
出ました!『ゲームオブスローンズ』からブレイクしたイケメン英国俳優。
エルトンのマネージャーであり一時期恋人でもあったジョン・リード。
彼を時にセクシーに、時にダークに演じていて素晴らしい存在感!
スコットランド訛りな英語は彼自身同じ街出身だったので楽だったとか。
あ、あと歌も上手かったです。
その他
色々業界人が出てきたけどレイ役のチャーリー・ロウの”いい奴”味が溢れていて好きだった。
あとレコード会社の社長ってみんなこういう悪党みたいなおっさんなのかな?(笑)
『ボヘミアンラプソディ』のレイはもっと嫌な奴だったけど(笑)
まとめ
共通点も多いため何故か
ボラプの方が面白かったぁ~
と比べられた感想が多く上がってはいるものの、なんか比べるのは違う気がするんだよなぁ~。
もちろん本人の音声を使っているのでライブ音楽映画としては圧倒的ボラプが面白いかもしれないが、
ミュージカル・ファンタジー映画として、そして主演の演技としてはこっちの方が好きだった!
どっちにしろ映画館案件なのは間違いなしなので急いでみること!
あとタロン君とエルトンの仲の良さ故か本人たちが一緒に歌っている曲がエンドロールでも流れるのでPVをチェックしておこう☺
Elton John, Taron Egerton - (I'm Gonna) Love Me Again
こんな人にオススメ
- ミュージカル映画好きな方
- エルトン・ジョン好きな方
- 伝記映画を観たい方
おあとがよろしいようで…