キミシマムザ裕君の映画部屋

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『ひとよ』映画レビュー「一度壊れた家族は繋がることが出来るのか?母が貫いた正義」

「ひとよ」の画像検索結果

印象セリフ

「好きなように暮らせる。

    自由に生きていける。

      何にだってなれる。

製作国:日本

製作年:2019年

上映時間:123分

▼予告編▼


佐藤健の無精ヒゲ姿…『ひとよ』本予告

はじめに

 みなさんは家族との大人になったあとも家族との交流を深めていますか?

大人になっても家族旅行に行く方、

疎遠になってしまっている方、

近くに住んでるけど遊びになかなかいかない方…

様々な形の家族があるでしょう。

今作はそんな家族の中でも”母親が殺人犯”というとんでもない問題を抱えた家族である。

しかも監督は白石和彌、出演に佐藤健&松岡茉優&鈴木亮平ときたもんだから見るしかない!

ということで公開前に東京国際映画祭で観てきました!

しっかり監督のQ&Aも聞けて大満足!

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どうも、白石監督って聞くだけで割と期待値が上がるファン、キミシマムザ裕君です。

早速レビューを!

簡単あらすじ

タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた…(映画.com引用)

感想 

 何が正しくて何が間違っているのか?

一夜の出来事から紡ぎだされる人生。

 家族の問題っていうのはいつも難しい。

一番近いようで一番遠い存在だ。

子供達のために殺人を犯した母親を彼らは許すことが出来るのか?

世間が冷たい目線を浴びせても変わらずに接することが出来るのか?

  • 吃音で自分の妻とも問題を抱えている長男
  • 小説家を目指す三流記者の次男
  • 美容師になれずスナックで働く妹

の3人の目線で帰ってきた母親を見ていく。

原作は女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台ということでそれをプロデューサーがどうしても映画化したかったらしい。

原作では母親視点だったところを映画化するにあたり、あえて次男目線に還ることで視聴者層の窓口を広げたらしい。

たしかに還暦超えた女性が主人公で話を展開すると面白くても観るまでのハードルが上がってしまうので名改変かもしれない。

それでもテーマである

”親の愛を子がどう受け取るか”

の根幹はかわってないとのことで原作ファンの方もご安心頂きたい。

監督:白石和彌

「ひとよ 白石」の画像検索結果

『日本で一番悪いやつら』『凶悪』『孤狼の血』etc...

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最近の邦画はつまらないよねぇ~

という方々には是非見て頂きたい攻めの姿勢を忘れない素晴らしい監督。

暴力描写や性描写の激しい映画を撮るイメージが強かったが、

こういった ヒューマンドラマもしっかりこなす。彼自身も

「いつかはやらなくてはいけない」と思っていた【家族】がテーマなだけあり気合は十分だったのだろう。

といっても個人的には前作『凪待ち』も家族を取り扱った作品だと思っているので今年の彼の命題なのかもしれない。

本人もこんなに豪華キャストになるとは思わず、撮影中は緊張したとか。

あと作中登場してくるエロ本には並々ならぬ想いがあったらしく、オリンピックなどによってエロ本を店頭から消そうとする動きを見せる日本に対するメッセージを込めてるらしい(笑)

キャスト

佐藤健

佐藤健

「俺たちの人生がめちゃくちゃになってる時に

 何しに帰ってきたんですか? 」

僕たちはこういうタケルを待っていたんです!

正統派イケメン主人公キャラよりも、『何者』など少しひねくれてやさぐれた役が似合うと思っていたので今作の目つきの悪い次男坊が最高!

というかもはや演技じゃなくて素でこういう人なんじゃないの!?

そして彼史上最高のドロップキックも観れるのでお楽しみに。

松岡茉優

松岡茉優

「母さんは私たちを守ってくれたんじゃん!」

ほぼ同時に公開している『蜜蜂と遠雷』の栄伝さんの静かなキャラとは大違いな明るくて大雑把な家族のムードメーカー役。

1番愛情にまっすぐで可愛らしい役だったので今作でまたファンが増えそうだ。

俺も縁側で松岡ちゃんに髪を切られたい...。

鈴木亮平

鈴木亮平

 

吃音で感情表現の下手な長男役。

俺物語。』や『TOKYOTRIBE』で既に演技派俳優であることは証明されている彼だが、今作でもその不器用な役を見事に演じていた。

子は親に似るという哀しい宿命を背負っていた。

田中裕子

田中裕子

「ただの…夜ですよ」

今作の真の主人公はもちろん彼女でしょう。

今ではあまり見られない昭和の肝っ玉母ちゃん的な芯のしっかりした明るい母親。

彼女のくだした決断を我々が攻めることは出来るのだろうか?

数々の賞を受賞してきたベテランの彼女だからこそこなせた役柄でしょう。

佐々木蔵之介

佐々木蔵之介

「あの夜は何だったんだよ…」

真面目一徹な男から関西弁でイカツイ輩まで幅広い役を演じる演技派の彼だからこそ、

今作の2面性のあるキャラクターはとても似合っていた。

今作の主人公家族とそこまで関係しないと思いきやしっかりメインキャラなので注目しておこう。

その他

あとはコミカルキャラとしてTEAM NACSの音尾琢真さんが面白かったし、

音尾琢真
グラビアアイドルだったMEGUMIはおっぱい関係なくいい演技をしていた。
MEGUMI
でもやっぱりMEGUMIのオッパいを出さないのはもったいないと思う(最低)

まとめ

家族って難しいよね。

この家族がこれからどんな物語を紡いでいくのかは分からないけれど、幸せになってくれたらいいなぁ〜。

過去をなかったことには出来ないから、

我々はその過去を背負って生きていくしかないんです。

こういう作品をもっと日本で作っていって欲しいもんです。

こんな人にオススメ

  • 白石監督作品が好きな方
  • 道徳観を揺さぶる作品を観たい方
  • 佐藤健はじめとする豪華キャストを観たい方

おあとがよろしいようで…

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