印象セリフ
「脚本を読んだからね。」
製作国:アメリカ
製作年:2019年
上映時間:104分
▼予告編▼
ジム・ジャームッシュのゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』予告編
はじめに
皆さんはゾンビ映画はお好きだろうか?
ウィルス感染・呪術・隕石・原因不明…
様々な理由で死者が蘇り、生存者たちが闘うホラーの中でも根強い人気があるジャンルだ。
そんな人気ジャンルとはいえ、だいたい無名の新人監督やホラー映画専任の巨匠が作り続けてたりするもんなのだがまさかの才能も知名度もある監督であるジム・ジャームッシュが制作発表をしたのだ!
そんなの観るしかないじゃん!!
ということで3月のコロナが騒がれる前の先行上映で見てきました。
どうも、ゾンビ映画を定期的に見て世紀末に備えている変態映画愛好家キミシマムザ裕君です。
早速レビューを!
簡単あらすじ
アメリカの田舎町センターヴィルにある警察署に勤務するロバートソン署長とピーターソン巡査、モリソン巡査は、他愛のない住人のトラブルの対応に日々追われていた。しかし、ダイナーで起こった変死事件から事態は一変。墓場から死者が次々とよみがえり、ゾンビが町にあふれかえってしまう。3人は日本刀を片手に救世主のごとく現れた葬儀屋のゼルダとともにゾンビたちと対峙していくが………(映画.com引用)
感想
まずい結末になりそうだ…
ジャームッシュ節炸裂なオフビートゾンビ映画!
現代人は皆他人に興味関心なんてないし、スマホやSNSに依存して生きている。
そういった意味では既に”ゾンビ化”してしまっている 世の中に対する監督なりのメッセージが籠ってたりするのかもしれない1作だ。
とはいってもそんな大真面目なシリアスゾンビものではなく、
どこかズレた田舎者が危機感を全く感じさせないスピード感で展開していく作風。
しかも登場人物が非常にメタい発言を繰り返したりもする。
そのため00年代後半から流行りだした『28日後』『ドーン・オブ・ザ・デッド』のような疾走感溢れるスリリングな作品を期待してはいけないのでご注意を!
↑とんでもないスリリングの『ドーン・オブ・ザ・デッド』のとある場面(笑)
ジャンル映画の垣根を超えても自分の作風を貫く監督はさすがの一言だろう。
もちろんこのジャンルの始祖と言っても過言ではない、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』シリーズへのリスペクトもしっかり忘れておらず、
血しぶきこそ敢えて特殊エフェクトで出していないものの血肉を貪るゾンビ達と何故か絶妙においしそうなその腸(はらわた)を観たらファンならピンとくること間違いなしだ。
また全編に流れるゆったりしたカントリー風のタイトル曲は監督がオファーしてグラミー賞アーティストであるSturgill Simpsonが書き下ろしで作ってくれたのだ!
この映画の作風とマッチしているので必聴である!
Sturgill Simpson - The Dead Don't Die [Official Video]
普段からカントリーソングばかりなのかと思ったらかなり幅広いジャンルを攻めてるバンドだったので他の曲も聞いてみて欲しい!
キャスト
今作ではキャストが”ジャームッシュ組”と呼んでも過言ではない常連ばかり!
そのため監督も半分くらい当書きで脚本を書いていたんだとか!
ビル・マーレイ
安定の常連キャスト。世の中が一大事となっているにもかかわらずどこかのんびりした空気の街の保安官。でもゾンビに対する容赦なさは意外としっかりしています
何年も一緒に監督とは仕事してるのに多分現場ではいじられキャラになっているようなメタ発言もあり(笑)
アダム・ドライバー
『パターソン』ですっかり気に入られたのか早速二度目のタッグを組んだ!
役名もパターソンならぬピーターソンだし(笑)
ゾンビパニックで世界が大騒ぎしてる中どこか無表情で淡々と事柄に対処していく姿がアダムの面長の仏頂面にぴったりの配役!
ティルダ・スウィントン
街に馴染みのない葬儀屋という謎が多い設定。
人気ゾンビドラマ『ウォーキングデッド』のミショーンよろしく日本刀でゾンビの首をちょん切るかっこよい役!まぁ監督は見てないらしい。
機械的な動きでテキパキと事務的に動く姿は謎が多いがそれが果たして劇中で解明されるかは…お楽しみに。
ちなみに葬儀屋という職業は自分で決めたらしい(笑)
その他
他にも監督と長く付き合いのある豪華キャストの勢ぞろい!
プライベートでも仲が良く、個人的にも推しメンなスティーブ・ブシェミ!
アーティストとしても名高いトム・ウェイツ!
そしてこちらも若者から大人気アーティスト、セレーナ・ゴメス!
と数えきれない、イギー・ポップもゾンビ役で出たりするし…
監督の悪ふざけに本気で付き合ってくれる大人たちばかりなのです!
まとめ
とにかくオフビートで身内ノリだけど社会的メッセージがしっかり詰め込まれたジャームッシュ流ゾンビ映画。
公開延期でしばらくは見れないでしょうが、公開されたら是非映画館で!
こんな人にオススメ
- ゾンビドラマ好き
- ジム・ジャームッシュ監督を応援したい方
- オフビートなコメディを観たい方。
おあとがよろしいようで…