印象セリフ
「星空に、
魂を灼きつけるような映画を撮りましょう。」
製作年:2019
製作国:日本
上映時間:117分
▼予告編▼
映画『21世紀の女の子』予告編 2019年2月8日(金)より公開
突然ですが、皆さん。
女の子は好きですか?
僕は無論大好きです。
そんな女の子について
色んな角度から迫ったオムニバス映画が今作。
コンセプトは簡単。
企画した山戸結希が15人の新進気鋭監督を集め、
とある共通のテーマに沿って短編映画を作らせた。
それが
自分自身のセクシャリティ
あるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること
これを8分以内にさえ作ればあとの表現方法は自由だ。
さぁ21世紀を生きる様々な女子を学ばなくては!
自分が見ないで誰が見るんだ!
そうです!僕が!
キミシマムザ裕君です!
今回は短編作品ごとに分けてレビューを!
あ、順番はうろ覚えなので突っ込まないでね💛
長い記事になるので、
飽きそうな方は「まとめ」まで飛んで大丈夫です!
各作品レビュー
1.ミューズ
監督:安川有果
出演:石川静河、村上淳、中村ゆり
キミシマムザ順位:10位/15作中
感想
小説家の破天荒な妻と出会った写真家の主人公。
ただ美しい彼女を写真に撮ることが目的だったはずだったが、
いつしかその存在が彼女にとって…
ってな話。
石川静河はあんまりタイプじゃないよねって印象だけです(笑)
2.Mirror
監督:竹内里沙
出演:瀧内公美
キミシマムザ順位:11位/15作中
感想
同性愛者の写真家と過去に関係のあった女性の再会の話。
”写真が嘘をついている”
という表現が確かにわかりやすく、
「愛し合った結果に生まれた写真」と
「写真のために愛し合う」
違いが深い。
クリエイターの悩みとはそういうものだろう。
3.out of fashion
監督:東佳苗
出演:モトーラ世理奈、筒井のどか
キミシマムザ順位:5位/15作中
感想
デザイン学校で学び、読者モデルとしても活躍している主人公が憧れの先輩の理想と現実のギャップに苦しんだりする話。
全15作品の中で最もファッショナブルでカラフルな色使い。
ED曲を担当する大森靖子のMVなどで使われてそうな服装が沢山出てきておしゃれだ。
主人公の女の子が決して美人とはいえないけど不思議な魅力を持っていてよかった。
4.回転てん子とどりーむ母ちゃん
監督:山中瑶子
出演:北浦愛 南果歩
キミシマムザ順位:12位/15作中
感想
回転する中華テーブル、中心の子供と会話するママ。
全作品の中で最も奇妙で不思議な作風。
南果歩が出ていて意外と豪華なのも不思議。
とりあえず男性陣諸君は
「行為後ティッシュをあげるか否か」
が大事らしいので気を付けるべきだ。
5.恋愛乾燥剤
監督:枝優花
出演:山田杏奈、藤原隆介
キミシマムザ順位:7位/15作中
感想
ある男の子と交際開始した女の子が
「あれ?おやおや!?
恋愛ってこんなもんなの!?」
と戸惑う微笑ましいお話。
思春期の初恋って甘酸っぱいもんさ。
どこかで見たことがあると思ったら『ミスミソウ』の主演の子!
困り顔が可愛らしくて良いね。
全作品中最も王道な青春だッた。
6.君のシーツ
監督:井樫 彩
出演:三浦透子、清水くるみ、小柳友
キミシマムザ順位:15位/15作中
感想
彼氏と同棲しつつも、心はどこか別の方向に向いてしまっている女性のお話。
自分に内在する性的嗜好の違いと迷いをうまく描けていた。
行為中に他の人を重ねてしまう経験誰にでもあるかもしれない。
ただ主人公の女性が好みじゃないのでそこまでハマれず。
7.I wanna be your cat
監督:首藤凜
出演:木下あかり、武谷公雄
キミシマムザ順位:4位/15作中
感想
映画監督と女性脚本家によるちょっとおかしな温泉合宿での会話劇。
最初はただのカップルかと思いきやワケアリな事情の二人の会話が面白く、
特に「芸術に金払うか問題」の時の二人の醜いやりとりがツボ。
主人公の木下あかりちゃんといえば、
『あぁ荒野』にて菅田将暉と激しい濡れ場を演じていた子なので、
今後の活躍にも期待できそうだ。
8.珊瑚樹
監督:夏都愛未
出演:堀春菜、倉島颯良、福島珠理
キミシマムザ順位:14位/15作中
感想
引越しを目前の少女とその友人2人、しかし1人は男性の心を持っていて…という話。
「恋愛乾燥剤」と同じく学生の儚い恋のお話ではあるのだが、百合要素があり作品そのものが秘密の花園といった幻想的な雰囲気があった。
最後の展開がよく読めなかったので個人的にはハマレず。
9.愛はどこにも消えない
監督:松本花奈
出演:橋本愛、南沙良、小野花梨、
キミシマムザ順位:2位/15作中
感想
大好きだった彼が突然いなくなった理由を周りの関係者の話を元に追いかけていくお話。
これは全作品の中でもかなり好みで、単純に長編でもちょっと見てみたい題材である。
なにより橋本愛ちゃんが可愛らしくて、こんな彼女を置いていった彼氏を体育館裏に呼び出してボコボコにしてやりたい。
また、恋愛に対する考え方が素敵で、
自分が中2の時超絶ハマっていたRADWIMPの楽曲を思い出した。
歌詞の一部にある
君はそう、きっとそう、
「自分より好きな人がいる」
自分が好きなの
にピッタりな話だ。
虚像を愛して現実を忘れるという意味でも共感出来た。
10.projection
監督:金子由里奈
出演:伊藤沙莉、土居志央梨、小川あん
キミシマムザ順位:13位/15作品中
感想
映画を撮る少女が写真を撮るお姉さんと出会うお話。
元々演技派子役だった伊藤ちゃんが結構肌露出が多めだったので、パパのような目線で見てしまった。
そのため作品としてあまり冷静に見れていないです(笑)
11.セフレとセックスレス
監督:ふくだももこ
出演:黒川芽以、木口健太
キミシマムザ順位:3位/15作品中
感想
感じなくなってしまったけどなぜかなぁなぁで会ってしまうセフレの話。
完全にツボで第3位に見事ランクイン。
女の子はHをすると感情移入しがちで、
正直セフレとして付き合ってる分にはそういう感情を持たれるのが一番困るのだが、この黒川ちゃんだったら大歓迎だ。
そしてこの絶妙な距離感と会話の雰囲気が好きだった。
こんな題材なのでエロシーンがないのも好印象。
12.reborn
監督:坂本ユカリ
出演:松井玲奈
キミシマムザ順位:9位/15作品中
感想
一緒にいるけどいる感じがしない。
”壊したくなっちゃう関係”のお話。
AKB出身の松井玲奈が等身大の演技で奮闘。
話の進め方やセリフ回し自体が舞台を見ているようだった。
13.粘膜
監督:加藤綾香
出演:日南響子、久保陽香、川籠石駿平
キミシマムザ順位:1位/15作品中
感想
恋愛感情抜きで肉体だけを求めて関係を結ぶ女性のお話。
はい、大好きです。
堂々の第1位!!
なにより主人公を演じる日南響子さんがとてつもなくタイプ。
「(タバコの)火貰えますか?」
に対しての回答が
100億点満点すぎて非喫煙者なのにタバコ買ってこようかと思った。
ドMの自分としては琴線に触れるシーンばかりで、
「また連絡してもいい?」
の質問に対して
「ダメ、私がシタイ時に連絡する」
と吐き捨てる冷徹ぶりが見事だった!
こんな女いねぇよと同性には怒られそうだが(笑)
日南響子さんはヌード写真集もだしているらしい…
なるほど?え?別に興味ないけど?
14.離ればなれの花々へ
監督:山田結希
出演:唐田えりか、竹内ももこ、詩歩
キミシマムザ順位:6位/15作品中
感想
本作の締めを飾るまとめ作品。
今回の企画も担当した『溺れるナイフ』の山田監督が
21世紀の女の子についてと今作を何故作ろうと思ったのかを、
3人の踊る少女たちに語らせるような構成だ。
まるで舞台を見てるかのような動きとカラフルな映像。
ストーリーなどは一切ないが見入っていしまう魅力がある。
15.エンドロールアニメーション
監督:玉川桜
楽曲:大森靖子、平賀さち枝
「LOW hAPPYENDROLL -少女のままで死ぬ-」
キミシマムザ順位:8位/15作品中
感想
絵本のようなアニメーションを下敷きに個性派歌手の大森靖子の楽曲で終了。
現代女子のドロドロ具合をさんざん見せられたあとなので、
これくらい優しいテイストのアニメの方がぴったりだろう。
靖子ちゃんはこの曲も結構今作の雰囲気に合っているので是非。
まとめ
結果からいうと
「15作品は多い」
これに尽きる。胃もたれ気味。
とはいっても、たった一つのテーマに沿って
15作品全てがこんなにバラバラで作家性溢れるものになったのも、
第七芸術と言われる映画のポテンシャルなので素晴らしい。
多様化が進み、「女の子」の定義も変わってきているでろう現代で、
様々な女子達”揺らぎ”を観れたいい経験だった。
もう一度だけ大事なことを言うと
「日南響子最高」
こんな人にオススメ
- 21世紀の女の子を見たい方
- 新進気鋭女性監督たちを見たい方
- 日南響子をチェックしたい方
おあとがよろしいようで…